私は、普段、事業会社で、マーケティングや事業開発の仕事をしています。
マーケティングや事業開発は、やるべきことが多岐にわたるため、求められるスキルセットも幅広くなり、必要なスキル要件の全体像が非常に掴みづらいと感じています。(初心者のうちだと特に。)
そこで、今回は、”事業を創り、事業を伸ばすために必要なスキル要件”について、モデルなどを使いながら、全体像を整理してみたいと思います。
将来的に、事業開発や経営に携われる人材になりたい方、マーケティングの能力を高めたい方の参考になれば幸いです。
※なお、ソフトウェア事業・フェーズは0→100くらいと、大企業よりは、中小企業やスタートアップよりの内容になっています。
まずは、既にある理論の中で、キャリアを考える上でベースになるおすすめのモデルを紹介させてください。
Takram田川さんが提唱したBTCトライアングル。
このモデルでは、デザイン経営の文脈で、これからの時代、イノベーションを起こすためには、B(ビジネス)・T(テクノロジー)・C(クリエイティビティ)の3つの要素が必要で、それぞれが有機的に結合させる組織や人材を育成することが重要だとしています。
また、B・T・Cの能力を使い分け、新しいものを作っていける人材をBTC型人材と呼んでいます。
実際の内容はこちらの記事や書籍”イノベーションスキルセット”を読んでいただきたいですが、私の解釈と言葉もいれて、B(ビジネス)T(テクノロジー)C(クリエイティビティ)の能力がつまりなんなのかを表現すると、下記の感じかと考えています。
B(ビジネス)=経済合理性を構築するためのスキル
T(テクノロジー)=物事を効率化・加速させるためのスキル
C(クリエイティビティ)=顧客と向き合うためのスキル
これらどれかが欠けていたとしても、事業は成り立たないので、組織レベルではうまくバランスをとれる必要があると思います。
もちろん、すべての領域を一人で担うことはできないので、実際の現場では、それぞれに強みをもった人たちと協業して事業をつくることが普通です。
ただ、もし、将来的に、経営者や事業開発、マーケティングといったポジションで活躍したいのであれば、B・T・Cのそれぞれの理解を持って、それぞれの役割をつなげてあげることが重要になってきます。
そのため、Tについてまったくわからないとか、Cについてまったくわからないというのではダメで、幅広くスキルを獲得していくことが重要です。
一点、注意としては、初心者の状態で、いきなりBTCのすべてを一気に学ぼうとしてはいけないということです。どこか一つの領域でも良いので能力のピーク(強み)をつけることをまずは優先すべきです。
一つ能力ピークができたら、次の山を定めて幅を広げてみる。どの順番でやっていくかというのを見定めながら、長い年月をかけて醸成していくことが基本です。
※以降からは完全オリジナルの解釈です。私自身の経験と尊敬する様々な領域の先人たちから得た情報をもとに形成しています。唯一の解ではないのでご注意ください。
BTCモデルは美しいのですが、じゃあ具体的に何を学べば良いのか?は見えずらいので、もう少し解像度をあげてみます。
いろんな方のお話や私の経験から下記の6つに分類できるのではと考えます。
そして、先ほどのBTCトライアングルと重ねると下記のような形になるかなと考えています。
<B領域>
①戦略性・ディレクション(経営・マーケティングOS)
②チームビルディング(組織構築・マネジメント)
<T領域>
③データサイエンス(効果測定設計・データ分析)
④ソフトウェアエンジニアリング
<C領域>
⑤マーケ施策・オペレーション構築(ブランド・チャネルデザイン)
⑥顧客理解・体験設計(イノベーションデザイン)
大きくは、上記①〜⑥の機能が、複雑に絡みあい、事業や会社というものが成り立っていると考えています。
なお、今回では説明しきらないですが、①〜⑥、それぞれがとても奥が深く、さらに細分化可能です。
詳しくは次回以降で、それぞれが具体的に何を表していて、さらにどういうスキル要件に図解できるかを整理しみます。※更新したら順次追記予定。
繰り返しになりますが、自分には関係ないと思うのではなく、①〜⑥のうち、一つ、または複数のどれを優先的に極めるかを明らかにしてキャッチアップできると良いと思います。
今回の記事が、自分のキャリアのなんとなくの方向性を考える助力になると嬉しいです。