ビジネスフレームワークを学ぶと何が良いのかについて整理します。
利点は主に、2つだと考えます。
①複雑なビジネス課題を分解して、良い”仮説”を見出しやすくなる。
②チームでの共通認識を作りやすくなる。
「どうやって集客するか?」や「どうやって売上を伸ばすか?」といったビジネス課題は、マーケティングにおける永遠のテーマです。
こういったビジネス課題を分解し、解法の仮説立てをした上で、仮説を証明するのがマーケターの大きな役割です。
しかしながら、ビジネス課題というものは、不確実要素が複雑に絡みあっているために、見切り発車で考えはじめても、良い仮説にたどり着けないことも少なくありません。
このような時に、”ビジネスフレームワーク”という道具は、とても役に立ちます。
ビジネスフレームワークとは、先人たちがこれまでのビジネス活動から見出してきた解法を、誰もが再利用できるように枠組み(図式)に起こして、標準化した理論の総称です。
フレームワークを正しく理解し活用することで、複雑な問題もシンプル化でき、良い仮説を見出しやすくなります。
良い仮説をつくることによる恩恵は、その後の、”行動の結果からの学び”も大きくるということです。
逆に、仮説が弱い状態では、その後の行動が場当たり的になります。場当たり的な行動ばかりでは、学習効率が悪くなるため、なかなか”進歩しない”という負のループに陥ります。
これをビジネス現場ではよく、PDCAサイクル、または、OODAループが回っていないという言い方をします。
フレームワークはあくまで道具なので、必ず使わなければいけないというものではありませんが、仮説を立てるというのは基礎中の基礎です。仮説を立てる助けをしてくれるという点においてビジネスフレームというのは有用です。(経験の浅いうちは、特に。)
なお、フレームワークには様々なパターンがあり、それぞれ役割が異なります。様々なパターンを脳内にストックしておいて、用法容量を理解して、然るべき場面で活用してみることをおすすめします。
ビジネスフレームワークを学ぶもう一つの利点は、”チームでの共通認識を作りやすくなる”です。
事業は一人で大きくできません。他の誰かを巻き込んで、チームで進めることが重要になります。そのためには、他の誰かに、あなたの戦略や仮説を伝えて、理解・納得してもらい共通認識をつくる必要があります。
そんなとき、他人に伝えるアプローチとして図解が有効です。
様々なパターンのビジネスフレームワークの知識を事前に仕入れておくことは、あなたの戦略や仮説をシンプル化して表現する幅を広げます。
なお、ビジネスフレームワークは、マーケティングの理解がある人であれば、当然のように知っているいわば、共通言語です。そのため、理解していなければ、実務でついていけないシーンが必ずでてきます。
最低限基礎的なフレームワークは理解して、最適なものを選んだり、正しく評価できるようにはなることをおすすめします。
最後に、注意点も伝えておきます。
フレームワークは実務家にとってはある種の抽象的な概念の枠組みであり、一つの標準化された考え方でしかありません。
実際のビジネスでは、目的に合わせて使い分けることが求められますし、状況に応じて柔軟に形を変えて活用することが重要です。
戦略性が高く再現性をもって成果を出せるマーケターは、既存のビジネスフレームワークを、各事業の特性、外的な環境、内的な環境などを見極めて、適切な形に変えて、応用活用しています。
経験が浅いうちは、既存の枠組みに当てはめる前提で活用してみて、型を学ぶことに徹するで良いと思いますが、慣れてきたら、自分なりに形を変えて工夫して活用してみることをおすすめします。